猿梅では和歌山県の中部に位置するみなべ、田辺地域で採れる南高梅のみ使用しています。
南高梅について
和歌山県は日本一の梅の産地。
その中でもみなべ、田辺地方は和歌山県の中部に位置します。
一目(ひとめ)百万本と云われる面積約二万ヘクタールの 広大な南部梅林を有する、 全国一の梅の産地であります。 江戸時代に紀州田辺藩が奨励し栽培し始めた梅の木は、 品種改良が加えられ、やがて現在の南高梅となりました。
春一番、百花に先駆けて百万本の梅の木一面に花が咲き始める南部川村で、大切に育てられるのが「紀州南高梅」であります。
最高級の紀州南高梅
和歌山県のみなべ地方で、最高級の梅を求めて品種改良されたのが、日本一と誉れの高い紀州の南高梅です。
明治35年頃、高田貞楠という人が、優秀な梅の木を発見し、その種子を播いて大切に梅栽培に専念します。
これが「高田梅」として主流になりました。
その後、もっと優良な梅を求めていろんなドラマがあり、昭和29年には、最終的に「高田梅」が最優良品種であるとされ、長年の調査に協力した南部高校園芸科の名前を取って、「南高梅」と命名されたのです。
紀州で栽培した南高梅が日本一と言われる理由は?
まず第一には、気候は紀伊水道に流れ込む黒潮の影響で一年間を通じて気温の変化が少なく、温暖な気候に恵まれていることです。
その上、雨量が多く日照時間も長いことから梅の特性に一番適していることであります。
また、良質の梅を栽培するには「中性質の土壌」が必要で、 成長期にはカルシウムを多く吸収します。
しかし南部地方に多く見られる「瓜渓石」(うりだにいし )は炭酸カルシウムからできていて、
梅に必要なカルシウムを多く含む中性質の土壌となっているのです。
このように、梅を栽培する為に必要な最適な条件を満たす所は他にないのです。
ですから、紀州の南高梅を他の地域で栽培しても、条件が異なるところから、
紀州産のように果肉が豊富で良質な南高梅にはならないのです。
紀州の南高梅の特徴
まず、最高の品質と評価されている長所!
・果実は大きいのですが、他の梅に比べると種がとても小さいこと。
・種が小さいお陰で、果肉が非常に多いこと。
・完熟した南高梅は、他の梅とは比べものに ならないほど包皮が柔らかく食べやすいこと。
・完熟するにつれ、赤みが増してきます。 果実の大きさも「20g~40g」と非常に大きいのが特徴です。
・この南高梅を他の地域で栽培しても、良質な梅にはならないこと。
最高級の品質ゆえに発生する悲しい短所!
・紀州南高梅は、南部川地域以外で栽培しても同じ良質にはならない為に生産量が限られており、他県の梅干しに比べると原料コストが高くつくのです。
・良質の南高梅を栽培できるのは、和歌山県でも、みなべ地方一帯と限られています。生産量が限られているのと同時に、豊作、不作で原料コストが大きく変わります。その為、毎年、梅原料の価格に変動があるのです。
・果肉が多く包皮が柔らかい為、運送課程の振動等で潰れやすいのです。特に、良質であればあるほど潰れやすい性質となっているのです。